先日とある会社の説明会に参加してきた。その会社はメディア系。主に記事を書いて取引先に送るのが仕事だ。
説明会は短めで、その後は各部署のブースに集まり座談会という流れだった。
僕はスポーツ系の部署に行き、話しを聞いていた。他の就活生達が質問を遠慮していたので、普段は質問をしない僕も、至近距離だしと思って質問してみた。
社員さんは二人で、先輩後輩の関係。後輩は先輩に直接指導を受けていたらしい。
僕の質問は、メディアを目指している人間なら当然分かっていることだ。もちろん、僕も聞く前からわかっていたこと。質問した当初、それを聞いた周りの就活生(特に説明会のときに俺の隣に座ってた超絶デブ)が声を出して笑った。
だがそんなくだらない質問をするのには、2つの意味があった。
一つは、そんなくだらない質問にも、しっかりと返答してくれるかどうか。座談会を始める際、「なんでもいいから質問して」と言っていたのだから、くだらない質問にも親切に答えるのが当たり前。しかもこの段階では、名前を覚えられることはないし、選考に影響する心配は無い。もしバカにするようなら、その時点でさようなら、である。
もう一つは、自分達が「わかっている」と思っていることと、実際に働いている人の考えでは、どのくらい隔たりや違いがあるのかを知るため。就活生にとっては、仕事内容や相手企業を「わかったつもり」になっているのが一番危険だと思うので、自分の知っていることは本当はどうなのか、どの程度どうなのか、実際に働いている人は、それについてどのような意見を持っているかを実際に自分の耳で聞くこと。これが狙いだったわけだ。
最初に笑い声をたてたクソデブは幸せなやつだが、後輩社員の方も若干小ばかにしたように笑ったのには残念な気持ちになった。
しかし、先輩の社員さんは、僕が期待していたものの何倍のものを返してくれた。
自分の意見、スタンス、そしてそこから得た経験。それを感情を込めて伝えてくれた後、一番最後に「面白いから、是非やってみて」と言ってくれた。
これにはとても感動した。
就職活動は本当に茶番だ。いかに自分を騙し、社会の構造に納得するか。自分の気持ちを根元から覆して、本当にやりたいことをやっていると思い込むことに一生懸命にさせられる。
しかし、この日の出会いは僕に「そのままでいい」と教えてくれたような気になった。
もちろん、就職活動に染まる気はない。ましてや、「素晴らしいものだ」なんていう気はさらさらない。しかし、この座談会は、そうしたものの外にあることとして、僕の中に記憶しておきたい。
情熱に触れること、それは機会がなんであれ、素晴らしいことなのだ。
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- 2011/02/20(日) 04:23:21|
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